資金繰りが悪化する原因の一つとして債務超過がありますが、債務超過になったからといって必ずしも倒産する訳ではありません。
では債務超過とは具体的にどういった状態を意味するのでしょうか。
ここでは債務超過と資金繰りとの関係性についてご紹介します。
債務超過とは?
債務超過とは、会社の持つ資産を全て現金化したとしても負債を支払いきれない状態のことで貸借対照表を作成したときに純資産がマイナスを示します。
純資産がマイナスであるから資産がないというわけではなく、建物や現金などの資産を多く持っていたとしても赤字を続けることで負債額が大きくなりその結果債務超過になってしまうケースもあります。
また債務超過と聞くと廃業・倒産を連想する人も多くいますが、必ずしもそうなる訳ではありません。
例えば債務超過になったとしても非常に業績が良く売上を現金で回収することが出来ていれば資金は回りますので倒産することはありません。
しかし実際は債務超過になってしまうと金融機関からの新規融資を受けられなくなったり得意先との取引が減少するあるいは無くなる可能性が高いため、資金繰りを悪化させてしまうことにもつながります。
そうなると従業員への給与が支払えなくなったり手形が不渡りになってしまうため取引先や金融機関、従業員などからの信用を失い最終的には倒産してしまいます。
債務超過に陥りそうな時は借入金の返済が遅れがちになったり手形の期日を延長したり、役員からの借入金が増えたり粉飾決算をしてしまうなどの傾向がありますので、そういった兆候が現れはじめた場合は注意が必要です。
債務超過と資金繰りとの関係性について
債務超過になっても現金をしっかり回収出来ていれば資金が回りますが、大抵の場合は資金が回らなくなることが多い傾向にあります。
そのため債務超過に陥ると資金繰りが悪化しやすいといえます。
債務超過→資金繰りの悪化→取引先や従業員からの信用をなくす→廃業・倒産という悪い流れに乗らないためにも、早めの資金対策をして自己資本を増やすことが大切です。