企業の資金調達の方法が多様化している時代なので、選択肢がたくさんあるのはいいことです。
最近では、当座貸越という方法で融資を受けている企業が増えてきています。
銀行側と交渉して、融資額を決めておくと範囲内なら自由に融資を受けることができるシステムです。
融資を受ける側としては、便利な方法と言えるでしょう。
しかし、銀行側にとっては他の方法で貸付をしたいと考えていることが多いのも事実。
なぜ、当座貸越を嫌がるのが理由を挙げていきましょう。
無担保
銀行が企業に貸付するときは、担保ありになっていることが多いです。
仮に、支払いが難しくなったときは、不動産など資産価値があるものを担保にすることができます。
しかし、当座貸越の場合は、無担保で貸付することになるのです。
そのため、支払いが難しくなったときは、銀行側が損をしてしまいます。
企業は、資金不足により融資を受けるのが多いため、無担保はリスクが高いのです。
銀行側が嫌がる最大の理由と言えるのではないでしょうか。
主導権を握れない
銀行が企業に貸付をするときは、主導権を握りたいと考えています。
もし、返済してもらえなかったときでも回収しやすいようにしておきたいためです。
しかし、当座貸越の場合は、融資を受ける企業側が主導権を握ることになります。
融資を受ける、返済をするのを決めることができるので、銀行側にとって不都合になってしまうのです。
最悪、貸付したお金を回収できないという可能性も出てきてしまうため、嫌がります。
交渉で揉めたくない
当座貸越で貸出をすると、企業の方が有利になってしまうことも少なくありません。
そのため、銀行側もある程度のことは、交渉中に主張する必要があるのです。
お互いの目的が一致すればいいのですが、なかなかそうもいきません。
時には、交渉が難航して揉めてしまうこともあるのです。
対応が面倒になるので、銀行側が嫌がることもあります。
交渉するときは、なるべくスムーズに進めたいものですからね。